印刷用PDF入稿完全ガイド|作り方・ソフト別の書き出し設定・入稿前チェックリスト

「印刷用のPDFはどうやって作ればいい?」「入稿したら不備で差し戻された」——
ネット印刷のご利用でもっとも多いつまずきが、PDFデータの作り方です。実は、画面で見るためのPDFと印刷用のPDFは、満たすべき条件が異なります。

本記事では、ネット印刷サービス「スプリント」が、印刷用PDFの条件から、Illustrator・Word・Excel・PowerPointなどソフト別の書き出し設定、入稿前の確認方法までをまとめて解説します。お急ぎの方は入稿前チェックリストからご覧ください。

印刷用PDFの4つの条件(通常のPDFとの違い)

メール添付や画面確認用のPDFがそのまま印刷に使えるとは限りません。印刷用PDFには、次の4つの条件があります。この4つを満たしていれば、どのソフトで作成したデータでも安心して入稿できます。

条件 内容
① フォントの埋め込み PDF内にフォント情報が埋め込まれていないと、環境によって文字化けや別フォントへの置き換えが起こります。
② 画像は原寸で300〜350dpi Web表示用の低解像度(72dpi前後)では、印刷するとぼやけ・ガタつきの原因になります。書き出し時に解像度を下げない設定にすることが重要です。
③ 塗り足し3mmとトンボ 印刷物は大きな用紙に印刷してから仕上がりサイズに断裁します。紙の端まで色や写真がのるデザインは、仕上がりサイズの外側に3mmの「塗り足し」と、断裁位置を示す「トンボ」が必要です。
④ カラーはCMYKが基本 画面の色はRGB、印刷はCMYKで再現されます。RGBのままのデータは印刷時に色味が変わることがあります(印刷すると色が変わる理由と対処法)。

逆にいえば、入稿トラブルの大半はこの4つのどれかが欠けていることが原因です。次のチェックリストで入稿前に確認しましょう。

入稿前チェックリスト(7項目)

書き出したPDFを入稿する前に、以下の7項目を順番に確認してください。すべてチェックが付けば、不備で差し戻される可能性を大きく減らせます。

チェック項目 確認方法
1. ページサイズが注文サイズと一致している PDFのプロパティ「概要」でページサイズを確認(塗り足し・トンボ付きの場合は仕上がりサイズより大きくなります)。
2. フォントが埋め込まれている プロパティ「フォント」でフォント名の後ろが「埋め込みサブセット」になっているかを確認。
3. 画像が粗くない 画面表示を400〜500%に拡大し、写真や図版にぼやけ・ガタつきがないかを目視確認。
4. 塗り足し3mmとトンボが付いている 紙の端まで色がのるデザインは、仕上がり線の外側3mmまで絵柄が伸びているかを確認。テンプレートを使用した場合はテンプレートのトンボがそのまま使えます。
5. カラーモードを確認した CMYKで作成するのが基本。RGBの場合は印刷で色味が変わる可能性を理解した上で入稿。
6. パスワード・セキュリティ設定がない パスワード付き・編集制限付きのPDFは入稿できません。セキュリティなしで書き出し直します。
7. PDFを開いて全ページを最終確認した 書き出し後のPDFを必ず開き、レイアウト崩れ・文字化け・抜けページがないかを確認。冊子の場合はページ数が4の倍数かも確認(冊子のPDF入稿ガイド)。

このページをブックマークしておけば、入稿のたびにこの表で最終確認ができます。

PDF規格の選び方(PDF/X-1aとPDF/X-4)

印刷用PDFには「PDF/X」という印刷トラブルを防ぐための規格があり、書き出し時のプリセットとして選択できます。よく使われるのは次の2つです。

規格 特徴
PDF/X-1a もっとも実績のある印刷用規格。透明効果が統合(フラット化)されるため、環境による表示差が起こりにくく安定しています。スプリントの推奨規格です。
PDF/X-4 透明効果をそのまま保持できる比較的新しい規格。ドロップシャドウなど透明を多用したデータの再現性に優れます。

スプリントではPDF/X-1a・PDF/X-4のどちらの形式でも入稿いただけます。迷った場合は、推奨のPDF/X-1aを選べば間違いありません。書き出したPDFがどの規格かは、Acrobatの「文書のプロパティ」や「プリフライト」機能で確認できます。

ソフト別・印刷用PDFの書き出し設定

ここからは、お使いのソフト別に印刷用PDFの書き出し設定を紹介します。スプリントはIllustrator・Photoshop・InDesignなどのAdobe系ソフトのほか、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeソフトで作成したデータの入稿にも対応しています。

Illustratorからの書き出し

「ファイル」メニューの「別名で保存」または「複製を保存」からファイルの種類を「Adobe PDF」にし、次のように設定します。

  1. 一般: Adobe PDFプリセットは「PDF/X-1a:2001(日本)」、互換性のある形式は「Acrobat 4(PDF 1.3)」を選択
  2. 圧縮: 画像はすべて「ダウンサンプルしない」。カラー・グレースケール画像の圧縮は「ZIP」、白黒画像は「CCITT Group 4」
  3. トンボと裁ち落とし: テンプレート使用時(アートボード内にトンボがある場合)はチェックをすべて外し裁ち落とし0mm/トンボがないデータは「トンボ」にチェックを入れ裁ち落としを天地左右3mm
  4. セキュリティ: 何も設定しない

画面キャプチャ付きの詳しい手順は「Illustratorから印刷用PDFを作成する正しい方法とは?」で解説しています。

InDesignからの書き出し

「ファイル」メニューの「書き出し」からAdobe PDF(プリント)を選択し、プリセットはIllustratorと同様に「PDF/X-1a:2001(日本)」を基本に、トンボと裁ち落とし3mmを設定します。冊子・パンフレットのデータは見開きではなく単ページで書き出すのが基本です。ページ順やノンブルの付け方など冊子特有の注意点は「中綴じ冊子・パンフレットのPDF入稿ガイド」をご覧ください。

Word・Excel・PowerPointからの書き出し

Officeソフトは「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」でファイルの種類を「PDF」にするだけでPDFを作成できます。保存時のオプションで画質を落とさない設定(「最適化: 標準」など)を選び、書き出し後にフォントの埋め込みとサイズを必ず確認しましょう。

なお、スプリントではOfficeデータのままでも入稿できますが、データ変換作業日数とお客様確認のための日数が必要になります。PDFにして入稿するとこれらの日数が不要になり、32ページ以上の冊子ではデータ変換料金もかかりません。お急ぎの場合ほどPDF入稿がおすすめです。

ソフト別の詳しい手順と注意点はこちらで解説しています。

CanvaなどWebデザインツールからの書き出し

CanvaなどのWebデザインツールで作成したPDFも入稿いただけます。ダウンロード時にファイルの種類で「PDF(印刷)」を選択し、「トリムマークと塗り足し」にチェックを入れてください。Webツールで作成したデータはカラーがRGBのままになっていることが多く、印刷時に色味が変わる場合があります。書き出し後は上の入稿前チェックリストで確認しましょう。

書き出したPDFの確認方法(4つのポイント)

書き出しがうまくいったかは、PDFをAcrobat Reader等で開いて次の4点で確認できます。

① フォント: 「ファイル」メニューの「プロパティ(文書のプロパティ)」で「フォント」タブを開き、フォント名の後ろに「埋め込みサブセット」と表示されていれば埋め込み済みです。「実際のフォント」にフォント名が出ている場合は埋め込まれていません。

② サイズ: 同じくプロパティの「概要」タブで「ページサイズ」が印刷するサイズと合っているかを確認します。

③ 画像: 表示を400〜500%に拡大して粗さがなければ、きれいに印刷できる目安です。変換すると粗くなる場合は、PDF変換の解像度設定が低いことが原因なので、300〜350dpiの設定で書き出し直します。

④ 塗り足しとトンボ: 紙の端まで色がのるデザインで、仕上がり線の外側まで絵柄が伸びているか、トンボが付いているかを確認します。塗り足し3mmの理由やソフト別の作り方は「トンボと塗り足しとは?基礎と作り方・3mmの理由」で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. PDF/X-1aとPDF/X-4、どちらで入稿すればいいですか?

A. スプリントではどちらの規格でも入稿いただけます。迷った場合は、実績が多く安定している推奨規格のPDF/X-1aをお選びください。ドロップシャドウなど透明効果を多用したデータは、透明を保持できるPDF/X-4での書き出しも有効です。

Q. Word・ExcelなどOfficeソフトのデータのままでも入稿できますか?

A. 入稿いただけます。ただしデータ変換作業日数とご確認のための日数が必要になるため、お急ぎの場合はPDFに変換しての入稿がおすすめです。PDF入稿なら変換の日数が不要になり、32ページ以上の冊子ではデータ変換料金もかかりません。

Q. パスワード付きのPDFは入稿できますか?

A. 入稿できません。パスワードや編集制限などのセキュリティが設定されていると印刷工程でデータを開けないため、セキュリティを設定せずに書き出し直してください。

Q. Canvaで作ったPDFは入稿できますか?

A. 入稿いただけます。ダウンロード時に「PDF(印刷)」を選択し、「トリムマークと塗り足し」にチェックを入れてください。カラーがRGBのままだと印刷時に色味が変わる場合がある点にご注意ください。

Q. 画面ではきれいなのに、印刷すると画像が粗くなるのはなぜですか?

A. PDF変換時に画像が低い解像度に圧縮(ダウンサンプル)されていることが主な原因です。書き出し設定で「ダウンサンプルしない」を選ぶか、300〜350dpiの設定で変換し直してください。Web用に保存された画像(72dpi前後)を使っている場合は、元画像から高解像度のものに差し替える必要があります。

データができたら価格を確認

印刷用PDFが完成したら、あとは注文するだけです。スプリントはWEB入稿・最短当日発送に対応しています。作成したデータはそのまま入稿いただけます。

関連ガイド一覧

目的別の詳しいガイドはこちらをご覧ください。

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