チラシや冊子を印刷会社に入稿するとき、「このPDFの解像度で大丈夫?」「dpiってどこで確認するの?」と迷ったことはありませんか。画面ではきれいに見えても、印刷では文字や写真がぼやけてしまうことがあります。
この記事では、印刷に必要なPDFの解像度(350dpi)の考え方と、手持ちのPDFが何dpiかを確認する方法を、Acrobat・無料のAcrobat Reader・Windows・Mac・スマホ別にわかりやすく解説します。ネット印刷スプリントが、入稿前チェックの観点でまとめました。
印刷に必要なPDFの解像度は?結論は「原寸で350dpi」
印刷用データに必要な解像度は、実際に印刷するサイズ(原寸)で300〜350dpiが目安です。スプリントでは、写真やイラストを含むデータは350dpiを推奨しています。dpi(dots per inch)は「1インチあたりの点の数」で、数値が大きいほどきめ細かく印刷できます。
解像度(dpi)とは|画面用72dpiと印刷用350dpiの違い
パソコンやスマホの画面表示は72〜96dpi程度で十分ですが、印刷はこれよりずっと高い密度が必要です。画面できれいに見える画像でも、そのまま印刷すると粗くなるのはこのためです。逆に、350dpiを大きく超える解像度はファイルが重くなるだけで印刷品質はほとんど変わりません。「原寸で350dpi」が過不足のない基準と覚えてください。
| 用途 | 目安の解像度 | 補足 |
|---|---|---|
| 画面表示(Web) | 72〜96dpi | ディスプレイ用。印刷には不足 |
| 一般的な印刷 | 300〜350dpi | チラシ・冊子など。スプリント推奨は350dpi |
| 線画・文字のみ | 600〜1200dpi | モノクロ2値の細線をシャープに出す場合 |
注意|「実効解像度」で考える(拡大すると実dpiは下がる)
見落としやすいのが「実効解像度」です。たとえば元が350dpiの画像でも、レイアウト上で2倍に引き伸ばして配置すると、実際に印刷される解像度は半分の175dpiまで下がってしまいます。確認すべきは「配置したサイズでの実効解像度」であって、元画像のスペックだけを見ても不十分です。後述のAcrobatの出力プレビューは、この実効解像度を1点ずつ確認できる点で最も正確です。
PDFの解像度を確認する方法【ツール別】
PDFの解像度は、使えるツールによって確認方法が変わります。最も正確なのはAcrobat Proの「出力プレビュー」ですが、無料のAcrobat ReaderやOS標準機能でも確認できます。順に説明します。
Acrobat Pro|出力プレビューで画像1点ずつ確認(最も正確)
- Acrobat Proで対象PDFを開く
- メニューの「すべてのツール」→「印刷工程」を選択(旧版は「ツール」→「印刷工程」)
- 「出力プレビュー」をクリック
- パネル上部のプレビュー表示を「オブジェクトインスペクター」に切り替える
- PDF上の画像をクリックすると、その画像の実効解像度(ppi/dpi)が表示される
この方法は、レイアウト上に配置された状態(=実効解像度)で確認できるため、印刷品質の判断に最も適しています。複数の画像がある場合は、1点ずつクリックして確認しましょう。
Acrobat Reader(無料)|画像を書き出してプロパティで確認
無料のAcrobat Readerには「出力プレビュー」がないため、実効解像度を直接は表示できません。目安を知りたい場合は、次のいずれかで代替します。
- PDF内の画像を右クリック→「画像をコピー」してペイント等に貼り付け、ピクセル数を確認する
- オンラインの画像抽出ツールでPDF内画像を書き出し、後述のプロパティ確認を行う
- 正確な実効解像度が必要な入稿前チェックでは、Acrobat Proの体験版か、印刷会社側の確認を利用する
スプリントでは入稿後にデータ内容を確認しています。無料版で判断がつかないときは、後述の「確認できないときの対処」もご覧ください。
Windows|画像を抽出して「プロパティ→詳細」で確認
- PDF内の画像を、オンラインツール等でJPEG/PNGとして書き出す
- 書き出した画像ファイルを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細」タブを開き、「イメージ」欄の「水平方向の解像度」「垂直方向の解像度」(dpi)を確認する
※ここで表示されるのは画像ファイル単体の解像度です。実際の印刷解像度は「配置サイズ」で変わるため、正確に判断するにはAcrobatの出力プレビューが確実です。
Mac|「プレビュー.app」のインスペクタで確認
- 画像を「プレビュー.app」で開く(PDFは画像を書き出してから)
- メニューバーの「ツール」→「インスペクタを表示」を選択
- 表示されるパネルで「解像度(DPI)」「イメージのサイズ(ピクセル)」を確認する
解像度が足りない・確認できないときの対処【印刷入稿の観点】
拡大してもdpiは増えない|元データから作り直すのが正解
「解像度が足りないなら拡大すればいい」と考えがちですが、後から画像を引き伸ばしても実際の情報量は増えず、かえってぼやけます。解像度が不足していたときは、拡大処理ではなく元データ(写真の原本や作成アプリのファイル)から適切な解像度で作り直すのが正解です。
Word/PowerPoint/Illustratorから印刷用に書き出す
作成アプリから印刷用PDFとして正しく書き出せば、解像度を保ったまま入稿できます。ソフト別の書き出し設定(画像の圧縮・ダウンサンプリングを避ける設定など)は、入稿ガイドにまとめています。
→ 印刷用PDF入稿完全ガイド(作り方・設定・チェックリスト)を見る
判断に迷ったら入稿前に相談を
「この解像度で印刷して大丈夫か不安」というときは、無理に判断せず入稿時にご相談ください。スプリントでは入稿データの内容を確認していますので、仕上がりに影響しそうな解像度不足があればお知らせします。
まとめ|確認すべきは「原寸350dpi」
- 印刷に必要な解像度は原寸で350dpi(一般印刷は300dpi以上)
- 元画像のスペックではなく、配置サイズでの実効解像度で判断する
- 最も正確な確認はAcrobat Proの「出力プレビュー→オブジェクトインスペクター」
- 足りないときは拡大せず、元データから作り直す
解像度の確認ができたら、入稿前に他の項目(サイズ・塗り足し・フォント埋め込みなど)もあわせて最終チェックしておくと安心です。

