中綴じ・無線綴じの違いとは?製本方法5種類の特徴と選び方

「冊子状の印刷物を作りたいです」と印刷会社に聞いてみたところ「どんな製本が希望ですか?」と聞き返されて回答に困った経験はないでしょうか。本記事では、製本加工である冊子の綴じ方や仕様について紹介します。

皆様の印刷物や販促物制作のヒントとしてぜひご活用ください。

製本方法はどう選ぶ?中綴じ・無線綴じなどの違いを比較

冊子の製本方法を選ぶときは、ページ数だけでなく、用途や開きやすさ、仕上がり、納期なども確認しておきたいポイントです。

なかでもよく使われるのが「中綴じ」と「無線綴じ」です。

会社案内やパンフレットなど、比較的ページ数が少なく、ページを大きく開いて見せたい冊子には中綴じが向いています。一方、ページ数が多い冊子や、背表紙のある本らしい仕上がりにしたい場合は無線綴じが選ばれます。

どちらにするか迷った場合は、まず次の違いを確認してみてください。

比較項目中綴じ無線綴じ
綴じ方冊子の中央を針金で綴じる背を糊で固めて表紙で包む
ページ数比較的ページ数の少ない冊子向きページ数の多い冊子向き
開きやすさ大きく開きやすい中綴じに比べると中央部分まで開きにくい
背表紙なしあり
コスト比較的抑えやすい中綴じより高くなる傾向
納期短納期の商品を選びやすい中綴じより日数が必要になる場合がある
主な用途パンフレット、会社案内、情報誌、同人誌などカタログ、論文、文集、テキストなど

急ぎで冊子を作るなら納期も確認

展示会やイベント、会議などで使用日が決まっている冊子は、製本方法とあわせて納期も確認しておきましょう。

スプリントでは、中綴じ冊子印刷に最短翌日出荷の商品があります。無線綴じ冊子印刷はページ数の多い冊子に向いていますが、中綴じと比べると出荷までに日数が必要です。

できるだけ早く冊子を用意したい場合は、必要なページ数や仕様で中綴じを選べるか確認してみてください。

ただし、同じ製本方法でもサイズや用紙、部数、印刷仕様によって選べる納期は変わります。使用日が決まっている場合は、価格だけでなく出荷日まで確認しておきましょう。

ページ数だけでなく、仕上がりも考えて選ぶ

ページ数が少ない冊子では中綴じ、ページ数が増えて厚みが出る冊子では無線綴じが選ばれることが多くなります。ただし、ページ数だけで製本方法を決める必要はありません。

中綴じはページを大きく開きやすく、写真や図版を見開きで見せたい冊子にも適しています。無線綴じは背表紙を作れるため、ページ数の多いカタログにしたい場合に向いています。

どちらも選べるページ数で迷った場合は、「開きやすさを優先するか」「背表紙のある仕上がりを優先するか」という視点で比べてみると選びやすくなります。

見開きのデザインは「のど」に注意

製本方法によって、ページを開いたときの見え方にも違いがあります。

中綴じは中央まで大きく開きやすいため、写真や図版を左右のページにまたがって配置するデザインにも向いています。

一方、無線綴じは背を糊で固めるため、中綴じほど中央部分まで大きく開きません。文字や人物の顔など、見切れると困る要素は「のど」と呼ばれる綴じ側に近づけすぎないようにしましょう。

特に見開きで写真や図を使用する場合は、製本方法を決めてからレイアウトを進めると、入稿前の修正を減らせます。

加工を追加すると納期が変わることも

穴あけなどの加工を追加する場合は、通常の冊子印刷より納期が長くなることがあります。

急ぎの冊子では、印刷日数だけを見て注文すると、追加した加工によって希望日に間に合わなくなることもあります。加工を利用する場合は、加工を含めた出荷日を確認してください。

納期を優先する場合は、必要な加工をあらかじめ整理してから商品を選ぶとスムーズです。

中綴じ・無線綴じ以外にも、冊子の用途や仕上がりに応じて平綴じ、糸かがり綴じ、あじろ綴じなどがあります。ここからは、それぞれの製本方法を詳しく見ていきましょう。

中綴じ(針金中綴じ)

中綴じ(なかとじ)とは、表紙と本文一緒に丁合いをおこない、本の背の中央を2か所ほど針金だけで綴じ、三方仕上げ裁ちする製本方法です。接着剤は使用しません。

  • 丁合い(ちょうあい):折り丁を順番に並べる作業のこと。
  • 折り丁(おりちょう):折り機で回し折りをおこない、指定の仕上がりサイズの1ページ分の大きさになるまで折られたひとかたまりのこと。
  • 三方仕上げ裁ち(さんぽうしあげだち):三方断裁機を使い、本の周り三方(小口・天・地)を1回で仕上げ裁ちする作業。三方裁ち。

中綴じ製本でページ数の多い場合は、丁合いの数も多くなります。印刷会社では「台数が多い中綴じ」と呼ぶことがあります。

「台数」は、折り丁を16ページや32ページに折っていく作業単位を「台」と呼ぶことに由来しています。

ページ数が多くなると、丁合いして製本したときに小口側(裁断面、とくに背の逆側にあたる外の裁断面を指します)が短くなるので考慮してレイアウトをする必要があります。1折りが32ページの場合では、約2mm程度短くなります。

平綴じ(針金平綴じ)

丁合い済みの本文ページの背側から数mm内側に入った、のどの部分を「ひら」のオモテ面から針金で綴じたあとで、表紙で包んで、背を接着剤で糊付けしてから三方仕上げ裁ちして仕上げる並製本の製本方法が平綴じです。

  • 並製本(仮製本)と上製本(本製本):表紙や仕様の違いからにおおきく2種類に分けられます。

製本後はのどを針金で綴じるため背までページが開きません。

本の可読性を考慮し折り丁の背から約5mm~10mm程度(本によって異なります)のど空きを確保した状態でレイアウトします。平綴じは丈夫で耐久性のある製本方法です。

そのため、教科書のように長期間にわたって何度も開いたり閉じたりする本に用いられています。

糸かがり綴じ

折り丁の背を針と糸を使って綴じていくのが、「糸かがり綴じ」です。

手綴じと機械綴じがあり、ほとんどの糸かがり綴じは機械綴じでおこなわれています。1本の糸を、2本の突き針と各1本ずつの糸針、掛け糸の3種類の針を組み合わせて1箇所ずつ綴じていきます。

引っ張り強度があり、粘着剤より長期間の保管に向いているため一般に上製本に用いられます。

無線綴じ

1冊分丁合いした後で、折り丁の背側を約2.5mm~3mm幅だけ切り落とすミーリング処理をします。その後、1枚ずつばらばらに切り離してから接着剤の付きをよくするためのガリ入れをおこない、ホットメルト型接着剤を背に塗布します。続けて表紙を包んでから三方仕上げ裁ちして仕上げる並製本の製本方法が無線綴じです。

折り丁の背が32ページ折りで約3mm、16ページ折りで約2.5mmカットされるので、仕上がりサイズに削り取られる折り代の分としてノド側に3mm+3mmの計6mm分のドブを加算してレイアウトや面付処理をおこないます。

  • ドブ:仕上がり寸法と製版寸法のスペースのこと。断ち代、塗り足し(ぬりたし)、断ち落とし。

あじろ綴じ

あじろ綴じは無線綴じのようにミーリング処理をしません。

紙折り段階で折り丁の背側に15mmの切り込みと5mmの切り込みなしのカット、アンカットのミシン目状のスリットを入れており、加工してから接着剤を背に塗布します。スリット部分に接着剤がしみ込むことで綴じる方法があじろ綴じです。

引っぱり強度では、糸かがり綴じに劣らないので、その後の製本工程次第で、並製本にも上製本にも加工されます。

まとめ

冊子の用途やページ数、仕上がり、制作コストなどに合わせて、適した製本方法を選びましょう。

ネット印刷サービス「スプリント」では、サイト上で中綴じ冊子や無線綴じ冊子の価格を掲載しています。掲載されていない製本加工や、前工程に関するデザイン作成や製版についてのご相談も承っております。

印刷物の適正コストが知りたい方もお気軽にお問い合わせください。

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